涙のスイッチ
「何だよ、急に?」


「迪也くんて“とか言うな”って、口癖だよ、ね?」


「は?」


「アハハッ!また迪也くん発見しちゃった♪」


「発見とか言うなッ!」


「ウフフ…」


迪也くんの何かを知る度、あたしもあたしの何かを知ってもらえる気がした。


それは。


まるで一本一本糸が繋がっていくようで。


その糸はやがて太く、赤く…って…。


赤い糸…!?


ヤダ、あたしっ!!


赤い糸とかマジ昭和の話だしっ!


てゆーか、あたし迪也くんの事、好きじゃ…好きじゃ、ない…?って言ったら…。


胸がチクリと針を刺したように痛むのは…どうしてだろう。
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