涙のスイッチ
「ジョン…元気?」


「ウフフ…。うん、元気だよ?」


間の抜けた問いに思わず笑ってしまう。


「美和って笑うと昔のまんまだな?」


「昔って…!あんな小学校低学年の時の写真と比べないでよっ」


「ハハッ!怒ってもおんなじっ」


笑う迪也くんの八重歯を見て早まる鼓動は、やっぱり気のせいなんかじゃなくて。


この想いを言葉に例えるなら…。


それは…。


人はそれを“恋”と呼ぶのかもしれない。


あたし…迪也くんに恋、しちゃったのかな…。


それとも。


助けてくれた恩人への想いって、こういうモノなのかな…。


どうやって確認すればいいんだろう。


それとも知らずにいた方がいいのかな…。
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