涙のスイッチ
晩ご飯も済み、ママと台所でお皿を洗っていると、


───ピンポーン


玄関のチャイムが鳴り、


「こんな時間に、誰だろうね?」


お皿を拭いて食器棚に収めていると。


おばあちゃんと一緒に部屋へ入ってきたのは。


「パ、パ…?」


「あなた…!急に…」


「北海道に京子達が着いたその日に、お義父さんから連絡があった。仕事の都合で迎えに来るのが遅くなって、すまない」


「さ、友樹さん。立ち話もなんだから、座ってちょうだい?」


あたしとママは、お皿洗いを中断して、茶の間へ移動した。


ママの表情は。


まるで拗ねた子供のようでパパを見ようとはせず、口を開こうとしない。
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