涙のスイッチ
あたしはいつもの時間より早いけど、ジョンに散歩用のチェーンをつけて迪也くんの家へ向かった。


家の前でケータイを鳴らしてみる。


コール3回。


『もし?美和、どうした?』


「あのね…今、外にいるの」


『外?あ、ホントだ。待ってろ、今、行く』


2階の部屋の迪也くんに手を振ると、すぐに降りてきてくれた。


「いつもより早いな?何かあった?」


「うん…。あのね、パパが迎えに来たの」


「父さんが、北海道まで?」


「うん。あたし、ちゃんと学校行かなくてごめんなさい、って言えたよ?」


「そっか。えらかった、な?」
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