涙のスイッチ
「さぁ、料理も揃ったし、みんなで食べようか」


パパの声にみんなでテーブルに並んだ中華料理をつつくけれど、あたしは隣にいる迪也くんが近すぎて、なかなか箸が進まない。


エビチリも鶏肉のカシューナッツ炒めも美味しいはずなのに、味がしない。


「美和も食えよ?」


迪也くんがあたしのお皿に次から次へと料理を盛ってくれるけど、食べ進められずにどんどんたまる。


それがおかしくて、1人で笑った。


「どした?」


「ううん、何でもない」
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