涙のスイッチ
楽しい食事が終わり、デザートとコーヒーが運ばれてくると、迪也くんは小さな声であたしに耳打ちした。


「ちょっと出ない?」


「うん。あ、でも寮の門限、大丈夫なの?」


「今日はオヤジ達とホテルで一泊。寮は明日から」


「そっか。じゃあ行こっかな」


「おじさん、おばさん、美和借ります。帰りはオレが家まで送りますから」


「あら、早速東京見物?」


「まぁ、そんなトコ。行こうぜ、美和」


「うんっ!」
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