涙のスイッチ
別にどこってあてもないけど、迪也くんとの散歩、少し緊張するのはジョンがいないせい。


うまくしゃべれないのは。


久しぶりに会った迪也くんが、なんだか急に大人びて見えるせい。


なんか、ズルいよ。


あたしは何も変わらなくて1人でドキドキして。


会いたかった。


そう思ってたのは、あたしだけで。


迪也くんは涼しい顔。


あたしはあの雪の降った夜で止まったままなのに、迪也くんだけがどんどん前に進んでる気がする。


北海道の友達とお別れして、荷造りして東京に来た迪也くんが、なんだか遠いよ…。
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