涙のスイッチ
「美和、少し痩せた?」


「えっ?あ、ううんっ。えっと…うん、少し」


「さっきもほとんど食ってなかったな?ちゃんと食えよ」


「うん…」


「また行き詰まってる?」


「ううんっ、そんな事ないよ?ただなんか胸がいっぱいっていうか、食べてないのにお腹いっぱいな気がして…」


「ハハッ!変なヤツ。ちゃんと食わねーと、またおじさんもおばさんも心配するぞ?…てか、さ、オレが…心配ってゆーか、さ…」


「…迪也くんが?」


「いや!別に何でもないっ」


夜の灯りが照らした迪也くんの顔が、ほんの少し赤い気がした。
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