涙のスイッチ
───ポン


「また何か考えてる」


あたしの頭に迪也くんの手が乗るから。


入っちゃうよ…涙のスイッチ。


「…っ…っ…」


「え!?え!?何で泣くんだよ!?オレ、何か言った!?あ、アレか、腹減ったか!?」


「…っ…っ…。違うの…。なんかね、やっと会えたのに、あたしばっかり色々考えちゃって…。伝えたい事がちゃんとあるはずなのに言えなくて…。甘えて困らせるばっかりでなんか…情けないよ、ね…」


「情けないとか言うな」


「…っ…っ…」


「あそこ、公園行こう」


信号を渡って小さな公園のベンチに2人で座った。


夜なのに煌々と光る街頭があたしの涙を隠してくれない。
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