涙のスイッチ
不器用だけど言葉を選んであたしに伝えようとしてくれている迪也くんの声は、あったかくて。


今のあたしには十分で。


ココロが満たされるのは、きっと同じだと言ってくれた迪也くんのココロと重なって。


だから。


信じる、ってできるような気がした。


「あたし、すごく会いたかったの。迪也くんも同じ?」


「うん」


「またシナモンドーナツ作りたかったの。迪也くん、食べてくれる?」


「うん」


「こうして散歩したかった」


「うん」


迪也くんが言ったリンク。


してたんだ…。


あたしと迪也くんばっかりは。


同じだったんだ。
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