風少女
「いいの?あんな事言って、葉月が標的になるだけだよ」

「…イジメなんて塵のようなもの」


塵、か。なら僕はそんな塵に悩まされているとでも言うのか。


「でも……塵だって積もれば山になる。

きっとユウマはそれに苦しんでる」

「え?」

「塵は増えても、減りはしない。山になって崩れても量は変わらない。

…誰かが風を吹かせたり、思いやりを持たない限りね」



さ、行こう。


僕は数秒ボーっとしていたが、すぐに我に返って葉月の後を追いかける。



葉月は不思議だ。

電波と思えば死ねない身体だったり、オマケにはっとする言葉を言ってくる。


「ユウマ、早く」

「うん!」


だけど僕は、気付いていなかった。


自分の変化と


変化の果てにあるお別れに。
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