隣の君がすき。
台所に戻り、テレビを見ながら髪の毛をとかした。
セミロングで肩について邪魔だから、結びたいけれど、靴ひもも自分で結べない不器用なあたしだから、髪の毛も自分で結べない。
「苺、自分で結べないんでしょ。靴ひも。ほどけたらどうするの」
お母さんに言われ、ギクッとする。
「莉子ちゃんに結んでもらうからいいの」
莉子(りこ)ちゃんとは、同じクラスであり親友。
「莉子ちゃんがいなかったら?」
「うーんと……他の友達………」
「……………」
お母さんが呆れている。