本当の理由



「有紀…僕に何も言わずに転校しちゃったんだって…悲しかった…好きだったから…」



…初めて聞いた。
これが…今までの真実…。
私もちゃんと言おう…。




「…私ね…小学生の時のクラスの女の子にいじめられてて…それを知ったお父さん達が勝手に手続きしちゃって…さよならする前に…引っ越しさせられたんだ…」




「…うん…」

更に私は続けた。



「本当はっ…さよなら…したかった…また…会えたらいいねって…言いたかった…っ…」



涙がとまらないくらいに溢れ出す…。

また会おうねって、言いたかった…。

だけどこんな形で再開してしまった…。


「だけど…





「…引っ越しに行く時に…事故で二人とも…死んじゃって…私だけが生かされちゃったの…」



「っ…うん…」



「もう…苦しくて…辛くて…それからも…」



「……」






「…優くんの事が…忘れられなかった…っ…」







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