本当の理由
「…いじめなんて…して…本当にごめんっ…」
僕は心の底から有紀に謝った…
有紀をいじめたかったわけじゃない…ただ、本当の理由が知りたかっただけなのに…。
僕は大切な君を傷つけてしまった…
有紀は…
「もういいよ…」
君は…本当に純粋な心があるんだね…
有紀は昔から人を傷つける事を…憎む心を知らない。
「…あっ…指輪…」
「指輪って…これでしょ…?」
僕は細川から取り上げた有紀の指輪を見せた。
「よ…よかった…っ…」
有紀は指輪を握りしめながら涙を流した。
「…こんなに大切にしててくれたんだね…?」
「…うん…小さい頃からの…私のお守り…」
有紀は嬉しそうに小さく笑った。
「…僕も…大切に持ってるよ」
「え…?」
僕は服の中から首に下げていたネックレスを取り出した。
「無くなったらやだから…指輪をチェーンにとうしてネックレスにしたんだ」
「…っ…優くんっ…!」
その瞬間、有紀は僕に抱き着いてきた。
僕は有紀を優しく抱きしめかえした。