†導かれる聖女†


「失礼します。
お食事の準備が整いましたので広間へどうぞ」


スーツに身を包んだ品の良い男性がうやうやしく頭を下げる。


「もうそんな時間か。
直ぐに行く」


「はい。パーティー形式になりますので男女ペアでの出席でお願いいたします。それではお待ちしております」


もう一度深く頭を下げ、男性は部屋を出て行った。


―パタン


扉が閉まると、ルークは近くに置いてあった包みを持って私に手渡した。


「…これは?」


渡された包みを抱えながら尋ねる。


「ドレスだ。
流石に法衣はまずいだろう。それでも着ておけ」


そう言ってルークは
部屋を出て行った。








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