†導かれる聖女†


「…どうかしたのか?」

「………………私…
ルークに何かしちゃった?
ルーク、さっきから
目を合わせてくれない…」


自分でも驚くくらい
声が震える。


「ルークは…
私が嫌い………?」


悲しくて悲しくて、胸が
キリキリと痛む。


視界もぼやけてきて、床に丸いシミを作った。


「セ…シル………?」


ルークは驚き、目を見開く。それからハッとしたように私の頬を両手で包み込んだ。






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