†導かれる聖女†


「違う、心配するな。
俺はお前を嫌ったりしない」


ルークは言い聞かせるようにゆっくりと言う。


「似合っていた…から…
見ていると抑えが利かなくなりそうで恐かっただけだ」


ルークは困ったように笑い、私の頭を撫でる。


「綺麗だ…セシル…」


その言葉が嬉しくて
私は泣いてしまった。


勘違いをしたルークは慌てたように私を宥める。


私が泣いたのは…
ルークが褒めてくれたからだよ…


「ありがとう…」


そう言えば、ルークは安心したように頷いた。









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