†導かれる聖女†
「話は後に、今はあの死神から隠れられる場所を。他の乗客は?」
私の言葉にルークは首を振った。
「死んだ…
皆、あの鎌の餌食になってな…俺の力でもあのアンデットとは互角だな」
ルークでさえ互角なんて…
一体いくつの命を奪ったらそんな強大な力を得られるの?
私達はとりあえず近くの客室に入る。
「聖女マリアの名において命ずる…境界を遮断せよ!!」
―ピキンッ
力が作動し、一時的に私達がいるこの空間が他の空間と離脱される。
私達は息を潜め腰を降ろした。