†導かれる聖女†


腰を降ろすと、ルークが私が意識を失っている間の事を話してくれた。


広間に死神のようなアンデットが現れ、貴族達を惨殺した事。


唯一生き延びていたティアネイをルークが見つけ共に逃げて来た事。


そして彼が………


「どうしてレイナの名を知っている?」


…ティアネイ……
レイナの大切な人であり、救わなくてはならない人。


「ティアネイ…
あの悲劇から1年、あなたはとても変わったのね…」


自らを僕と言い、レイナと共に絵を描くのが夢だった彼…


今、その面影は無く自らを俺と言い、言葉使いも随分変わった。


その証拠に、彼は残虐な絵ばかりを描く。


「お前が俺の何を知っている?知ったような口を聞くな!!」


ティアネイは怒りをあらわに私を睨みつける。


―グイッ


ルークはそんなティアネイの胸倉を掴んだ。









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