†導かれる聖女†
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「そろそろ行こう…
ルーク、死神は甲板に」
「わかった…
セシル…少し、痛むぞ」
首筋に唇を寄せるルークに私は頷く。
吐息が掠め、それがくすぐったい。
「おい…
まさか血を吸うのか?」
ティアネイは私を心配するような瞳を向ける。
ルークはティアネイを相変わらず睨みつけていた。
「大丈夫だよ…
死ぬわけでは無いから」
安心させるように笑っても、ティアネイの表情は曇ったままだ。
「………行くぞ……」
―カプッ
「…ぁっ…………」
首筋に一瞬痛みが走る。でも痛みは一瞬で、あとはくすぐったさと体の力が抜ける感覚のみ。
「…………セシル…
大丈夫か……?」
ルークは口端に血をつけたまま私を横抱きにする。