†導かれる聖女†
「私は…聖剣士を見たのはこれで二度目…」
聖剣士……リドムも聖剣に選ばれた人間だった。
その力を買われ、聖女である私の護衛役に選ばれた。
「…リドム…………」
彼は切開の雷剣の使い手だ。その剣に何度救われただろう…
「その聖剣使いはどんな奴だったんだ…?」
ティアネイの言葉に私は悩む。私自身、彼が自分にとってどういう存在か…
私には分からない。
「父親のようで…それでいて兄のようで…
時折他人のようだった。
この関係を何て称せば良いのか、私には分からないけど……」
私の傍にいて、守ってくれた。私の傍にいなくても、見ていてくれた。
彼自身も私の為に心を砕いてくれた…
「私にとってリドムは…
唯一家族と称せる人…
彼だけが私の家族だった…
それだけは分かるわ」
私の言葉にティアネイは
首を傾げる。
「だったって…
今は……?」
ティアネイの一言に私は苦笑いを浮かべる。
案外鋭いのね……
「死んだの…私を庇ってね…
だから少しだけ…
あなたの気持ちが分かる。ねぇティアネイ…あなたは後悔してる?」
自分が犠牲の上に存在している事…
あなたはどう思う…?