†導かれる聖女†
「俺は………
してないと言えば嘘になる。後悔で今にも死んでしまいそうな程に…」
「私も…よ…
リドムが死んだ瞬間、彼は私に謝ったの…
これから自分は死ぬっていうのに…
最後まで私の心配をして…」
聖女という立場だから守ってたんじゃないの?
どうして謝るの?
何で…守ってくれたの…?
「気付いた時には失ってた…
それ程に悲しい事は無いわ」
無理に笑う私を、ティアネイもルークも悲しげに見ていた。
「さぁ…行こう?
そろそろ力の効力が切れるから。死神は船の最上部にいる」
私はドレスの砂を掃って立ち上がる。
二人も同じように立ち上がった。
「お前も行くのか?」
ティアネイは心配そうに私の顔を覗き込む。
「うん。私も一緒に戦う」
「お前は女だろう?
女が戦うものじゃない」
ティアネイの言葉に私は目を見開く。
「………ふふっ……」
「キザ野郎」
私達の反応を見て、ティアネイは怒りと恥ずかしさを合わせたような表情をする。
「う、うるさい!!
行くぞ!!」
そんなティアネイはまるで、レイナが生きていた頃と同じ生き生きとした表情をしていた。