†導かれる聖女†
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「いないな」
「いや…血の匂いがする」
「来るわ…」
―ギギギッ…
私達の背後から、金属を引きずったような音が聞こえた。
それは次第に大きく、近くなり止まる。
振り向けば、そこには死神が不気味な笑みを浮かべ立っていた。
『キャーーッ!!!』
『誰…か…あぁ………』
『助けっ…』
「……っ………」
沢山の声…
それはもう判別出来ない程の数だ。
「大丈夫か?」
ルークは心配そうに私を見つめていた。
「うん…大丈夫……」
心配をさせないように笑みを作ると、ルークは頷いて右手を上にかざす。