†導かれる聖女†


ルークの右手には、凄まじい暴風と漆黒の闇が取り巻いている。


「………さっきと同じと思うなよ……」


ルークは不敵に笑い、右手を真横に振り払った。


―シュッ


そこには漆黒の剣があり、美しく残酷に光を放っている。


「………セシル…
下がっていろ」


私の前に立つルークに私は首を横に振る。


「いいえ…
私はあなたの盾になる」


私は両手を前にかざし、目を閉じた。


「引けと言っても聞かないんだろうお前は……」


ルークは困ったように笑い、剣を構えた。


「俺もいるのを忘れるな」


ティアネイはルークと同じように剣を構える。


『グギャギャーーッ!!』


死神が鎌を振り上げると同時に、二人は踏み込む。


―ザシュッ


『グギャギャーーッ!!』


―キンッ

―ガキンッ



ルークの剣は死神に突き刺さり、ティアネイの剣は鎌を受け止めた。









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