†導かれる聖女†


『キキキキキーィ』


剣で貫かれたのにも関わらず、死神はニタリと笑う。


「……嫌な予感がする…
二人共離れて!!!」


私の声と当時に、死神は二人を飲み込んだ。


「ルーク!!!
ティアネイ!!!!」


二人が飲み込まれ、私と死神が向き合う形になる。


「…二人を返しなさい」


凛と透き通る声で死神に言い放つ。死神はそれでもニタリと笑ったままだ。


「…聖女マリアの名において…」


私が祈りを捧げると同時に、死神はゆらりと私に近付いてくる。



「全ての事象は我の
言葉に従え…
風は神の吐息なり…
闇を吹き消し神風となれ」



私の両手の間に、小さな風が生まれる。
それは徐々に大きくなっていく。


それを一気に死神へと
飛ばした。


―ビュオオオオ!!!!


『グギャギャーーッ!!!』


死神は悲鳴を上げ、その体が四方に散らばる。


「…フンッ」

―ザシュッ


その体の中から出たルークはすかさず剣で死神の首を切り落とした。







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