†導かれる聖女†


「終わりだ」


―バリンッ


ティアネイの最後のひとつきで死神は灰になり風へと拾われる。


「…終わったのね……
二人とも無事でよかった…」


私が笑うと、二人も笑みを返してくれる。


「終わったんだ…な……」


ティアネイは風へと拾われた灰を眺めながらぼそりと呟く。


「…ティアネイ………
あなたの悲しみも憎しみも…
決して消える事は無いわ。それでも…
ここからがあなたの道。
その人生を生かすも殺すもあなた次第なんだよ…」


これからの人生をどう生きるか…それは自分次第。


私の人生も、ルークの人生も、ティアネイの人生も…


「あとは好きなように生きるんだな」


ルークは面倒くさそうにそう言い放ち、手すりに足をかける。


「行くぞセシル。
この船もあと数時間すれば潮に乗りルシアールに着くだろ」



ルークは私に手を差し延べる。結局船旅はできなかったなぁ…


船、初めてだったのに…








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