†導かれる聖女†
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夢を見る。
18を迎えたある日から
繰り返し見る夢を…
『私はどうして生まれたの?』
それは汚れを知らず清く聖なる存在なのに、魔女である私と同じ事を言う。
『人は私を…神、聖母、聖女…マグダラ・マリアと呼ぶ。聖なる存在全てが私と重ねられる』
私は彼女が言う聖なる存在の反対、邪なる存在全てが私と重ねられる。
ねぇ……あなたは綺麗でしょ?私の気持ちなんか分からないはずなのに…
どうして孤独なの…?
あなたの周りには沢山、あなたを慕う人間がいる。
『……外の世界は…
ここから見る世界より
もっと美しいのかもしれない…』
彼女はいつも窓の外を眺めていた。
彼女を見ているうちに気付く。彼女は………
孤独なのだと……
外の世界を知らない
本物を知らない………
全てが偽りで固められた
聖女と呼ばれた彼女を
私はとても他人に思えなかった。