†導かれる聖女†


『それが私の過去と私の見たあなたの未来…』


走馬灯のように見た
映像が一変、さっきの水の中へと戻る。


『私はずっとあなたに逢いたかった…
やっと逢えたのに…
私はもう……』


彼女が悲しそうに
笑った気がした。
あの走馬灯の中で見た銀色の彼女が…


『私はこの力が憎くて
憎くて仕方なかった。
この身を悪魔に売った事
後悔はしていないの…』


…悪魔に…売った…?


酷い悲しみが私を襲う。
それは…肉体の死を意味するから…



『やっと…楽になれた…
それだけで…私は幸せ…
でも……
私を喰らった悪魔は
あなたを狙っているわ。
それだけは…阻止したかったの』



…………私を……
助ける為に………?


『あなたは私と同じだった。でも今は…
一人じゃないね…?』


心から私を思う気持ちが
分かる。それだけで
私は幸せを感じた。









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