†導かれる聖女†


―バサバサバサッ


「行かないでっ!!!」


叫びながら伸ばした手は空を切り虚しく柔らかな布団の上へと落ちる。


「………私だって…
私だって一人だよ…
今は目的が一緒だから…
契約が続いている限り一緒にいられる。でも…」


それが終わったら……
終わったら?


また一人ぼっち……
あの孤独を味わう事になる。


「ねぇ……私とあなたは…
どうして一緒にいられないのかな……?」


涙がポロポロと落ち、それはシーツに染みをつくる。

同じ空の下にいるだけでいい…
ただあなたが生きてさえいてくれれば…


それだけで良いのに…


あなたが私を見つけてくれた…
だから私も……
あなたを見つけてあげたかった。


あなたが見守ってくれていた事……
もっと早く気付けていたなら
私の世界はもっと色鮮やかに、また違ったように見えていたのかもしれないのに…



「ねぇ………
お別れなんて嫌だよ…
お願い…消えないでっ…」


最後は悲鳴のように、また消え入るようにか細い声だった。


―ガチャ


すると突然扉が開いた。
そこへ入って来たのは…



【選んで下さい】

*吸血鬼ルーク〔148〕
*聖剣士ティアネイ〔#〕






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