†導かれる聖女†
―コンコン
「入るぞ!!」
そう言って部屋に入って
来たのはティアネイだった。
「目が覚めたんだなセシル」
ティアネイの言葉に
私は頷く。
「私、どのくらい眠ってた?」
「まぁ3時間くらいだな」
たったの3時間……
私の見ていた夢は
3時間では収まりきらない程の一人の少女の人生…
私は……あの子に何が出来るのだろうか…
「…セシル。
何を考えている?」
考え込んでいた私に
ルークは心配そうな顔で私に尋ねた。
「何でもないの。
私は大丈夫だよ…」
私は心配をかけないよう
笑顔を作りあの記憶と夢を心の中に閉じ込めた。
動くには早い。
ちゃんと確信を持たないと…
「…セシル…」
それでも何かいいたそうなルークを見ないふりして
話題を変えた。