†導かれる聖女†


「…あなたが…リリス…?」


夜の魔女リリスと
何か関係が……?


「目が覚めたのねセシルさん。丁度良かった、夕食の準備が出来ましたの」


リリスは艶やかな笑みを浮かべた。


ティアネイもルークも
見とれているのが分かる。



やっぱり綺麗な女性が
いいのかな…?
私なんてまだ…


そう考えると自分が
どれだけ女性らしくないかがわかってさらに落ち込む。



「さぁセシルさん…」


名前を呼ばれ、俯いていた顔を上げるとルークとティアネイの姿がなかった。


「二人は…?」

「先に行かれましたわ。
さぁ…あなたも……」


リリスは私に手を伸ばす。ルークもティアネイも先に行くなんて酷い。


「はい。お待たせして…」


私もリリスに手を伸ばした。その手が触れ合う瞬間…


『触れては駄目!!』


―バチンッ


声が聞こえたと同時に
私とリリスの体は弾けるように双方へ飛ばされた。






< 154 / 207 >

この作品をシェア

pagetop