†導かれる聖女†


―ダンッ

「…うぁっ………」


背中を大きく打ち付けた。体中が痛い。


「…まだ自我が残って…
チッ…一人じゃ何も出来ない魔女風情が……」


あの上品なリリスから放たれた言葉は耳を疑わせた。


今…何て………?



『やっと美味そうな魂に
出会えたというのに』


リリスから放たれる言葉はすでにあの美しく艶やかな声ではなかった。


「…………アンデット…」


こいつが…あの子を喰らった悪魔……


『お前のその清い魂…
私が貰うぞ!!!』


力のある人を喰らい
力を得たアンデット………



今までここまで力のある
アンデットに出会った事はない。







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