†導かれる聖女†
*吸血鬼ルーク


「…ルーク………
助けてルークっ!!!」


知らず知らずに私は
思い浮かべた人を呼んでいた。


「…………呼んだか?」


私のすぐ後ろから声が聞こえた。ゆっくりと振り返る。



「遅くなった…」


月明かりを背に窓のふちに立つルークがいた。



「ルーク…ルークっ…」


私はルークに抱き着いた。自分でも驚くくらい体が震えていた。


「大丈夫だ…もう恐いモノは何も無い」


私は涙を堪えて何度も頷く。ルークはそんな私の頭を優しく撫でた。



「…ルーク、…私の血を…」



私はルークに首筋を
あらわにした。







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