†導かれる聖女†


『そろそろ行くわ…』


レイの言葉に胸が締め付けられる。
悲しくて苦しい…
寂しくて涙が出る。


「レイ…行くの……?」


自分でもわかっている。
私の言葉がどれだけレイを困らせているのかを…


『セシル……大好きよ…
私の対なる存在のあなた…決して交える事はないって思ってたのに……』


「私も同じ…。でもあなたと出会えたのは必然だと思うから…
またあなたと出会える気がするの」


これは予感や願望といった不確かなモノだ。


それでも………


「また出会う」

『私もそんな気がするわ』


私達はただ見つめ合う。
間近の別れを惜しむように…






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