†導かれる聖女†
「……本当に……
大好きよ……レイ……」
レイが輪廻の輪に誘われた後、私は両手で顔を覆った。
涙が何度も何度も溢れて止まらない。
「「…………」」
ルークとティアネイは無言で私の隣に立った。
「レイはね、私とは全く反対の存在なの…
私が聖なら彼女は魔。
私が光なら彼女は闇……
絶対に交える事の無い私達が唯一共通していたのは孤独だった……」
ポツリポツリと語る私を二人は静かに聞いてくれる。
「彼女が私の夢に現れた時、私だけじゃなかったと…彼女も私と同じだったんだと…他人に思えなかった…」
誰よりも遠くて誰よりも近しい存在…
「彼女が大好きだった…
守りたかった……」
「あぁ…わかってる」
「彼女の心は救われてたさ」
ルークとティアネイはそう言って私の手を握る。
今はそれが一番温かく感じられた。