†導かれる聖女†
「大切な奴を迎えに行く為だ」
ルークはそれだけ答えて遠くを見つめた。
その瞳には悲しさが見え隠れしている。
「じゃあセシルと目的地が同じわけじゃないんだな」
「ルークとはルークの目的地まで一緒に旅が出来るの」
私が説明すると、ティアネイは頷く。
「じゃあセシルはどこを目指して旅をしてるんだ?」
ティアネイの言葉に私は口を閉じる。
どこを目指して…か……
私が目指してるのは、私を呼び必要としている
誰かの所……
真理、セフィロトの樹。
黄金の扉…
地図にも無い架空の場所かもしれない。
それでも…………
私は前に進まなきゃ…
「セシル?」
急に黙り込んだ私を心配したティアネイが私の顔を覗き込む。
「あ…ごめんね……
私の目指してる所はきっと物凄く遠くて、物凄く近くにあるんだと思う」
私の言葉にルークとティアネイは分からないと言わんばかりの顔をする。
「名前の無いその場所は、天に最も近くて…
世界の真理を司る。」
世界はそこから始まり、
そこから終わる。
「…………始まりの地」
そう…言うなれば
始まりの地だ。
その言葉が一番相応しい。