†導かれる聖女†
―パチパチパチッ
どこからか拍手が聞こえ、私達はほぼ同時に空を見上げる。
「やぁやぁ聖女諸君。
何ヶ月ぶりかな?」
空に浮かぶ老人は私達に冷酷な瞳を向ける。
「ウィザード……
どうしてあなたが……?」
私は目の前の魔術師の威圧に負けないように冷静に言葉を発する。
「聖女と吸血鬼…
君達と遊びたくなってねぇ。我は退屈しているのだよ…分かるかね?
お前達を野放しにしたは良いが我が詰まらない」
くつくつとウィザードは不気味に笑った。
嫌な予感しかしない…
「俺達は生憎暇じゃないからな。失礼する」
そう言ってルークはウィザードに背を向けた。
「おいルーク!!
あのじいさんと知り合いか?」
ティアネイはウィザードを指さしながら尋ねる。
「無礼な奴め。
聖剣士か…お初にお目にかかるな」
ウィザードはティアネイを興味深そうに見つめる。