†導かれる聖女†
「お願い!!
ティアネイは関係ないの!!この人を傷付けないで!!」
私は咄嗟にティアネイの前に出る。
「この人を傷付けたその時は…あなたを殺すわ」
私から大切な人を奪う事は許さない…
「おっかない聖女様だ。…その力、我に貸してくれんか?」
「あなたには貸せない。あなたはこの力を悪いようにしか使わないから…」
この人は私の敵。
「…………ルーク!!!」
私は首筋を表にしてルークの名前を呼ぶ。
「…仕方ない」
ルークは私の首筋に顔を近付ける。
「くそっ…あまりセシルに負担をかけるなよ…」
ティアネイは私達から顔を背けた。
―プツッ
「…っ……ぁ…」
鋭い痛みが首筋を襲う。しばらくして体の力が抜けるのが分かった。