†導かれる聖女†


「リドムをっ…リドムを殺したあなたを……
私は許さない!!」


あの時…私は大切な人を救えなかった…


手を差し延べる事さえもできなかった…


「もう…失いたくない…
あんな思いは…二度とっ…」


涙が視界を霞めていく。
悔しくて悲しくて…


憎い………



「ほう…あの時のお前に人を思うそぶりなど微塵も感じなかったがな?
ただの人形のようだったではないか?」


ウィザードの言葉に私は唇を噛む。それは血が滲む程に…


「私は…ずっと気付かなかった。彼の本当の優しさに…表面上の事しか見ていなかった。そのせいで彼を失ったのもわかっている…」


私はウィザードをキッと睨みつける。


「でも…人の命を玩具のように扱うあなたは…罪深き魔の者。聖女マリアの名において、あなたを滅します」


私は片手をウィザードへと向ける。
ウィザードは楽しそうに私を見つめた。


「ほう…でも我とて聖女とは部が悪いのでね。お前の相手は他の者に頼むとする」


そう言ってウィザードは片手を地面へと向けた。


「impracticalcrash」


「きゃっ……嫌っ…」


地面が崩れる。
そんな私に誰かが手を伸ばした。




【選んで下さい】
*吸血鬼ルーク〔#〕
*聖剣士ティアネイ〔184〕






< 182 / 207 >

この作品をシェア

pagetop