†導かれる聖女†
「だんまりなの………
何も教えてはくれないし、此処から出すつもりもない」
本当にウィザードは遊びたいだけなんだ…
聖女である私と命がけのゲームをしたいだけ……
『私は孤独……………』
考え込んでいると突然鏡から声が聞こえた。
私は慌てて鏡をのぞき込む。 そこには………
「わ…たし…………?」
映っているのは自分なのに服装は教会にいた時のモノだった。
『汚れてる…此処にいる人間も…私も…ねぇ…そうでしょ?』
鏡の中の私は私に問い掛ける。
「何で私の事を……?」
『私自身の事を私が知らないはずないわ』
鏡の中の私は笑みを浮かべ私の方へと手を伸ばす。
私は慌てて鏡から距離をとった。
『くすくすっ……
私が怖いの?』
今度は反対の鏡から声が聞こえた。私はバッと後ろを振り返る。
そこには…………
「どうして…なの……?」
子供姿の私がいる。