†導かれる聖女†


『汚い…人の強欲さ、
無慈悲さ…私はそれを疎ましく思ってた…あなたも…』


鏡の中の私は涙を流した。私はそれをただ見つめる。


『愚かしい…そんな人間を救う理由がどこにあるの?
分からない…
私も汚れていく…それが恐い…』


子供の姿の私は耳を塞いでしゃがみ込んだ。


『私は…孤独………
誰一人として私個人を見てくれる人はいない…
皆、私を聖女としてしか…』


そう…誰も私をセシルとして見てくれなかった。



周りがセシルという一人の人間として存在する事を許してはくれなかったんだ…


『人間は嫌い………
汚れていく自分はもっと嫌い……』


鏡の中の私は涙をただ流し続ける。


『愛されなかった私は大嫌い…』


子供姿の私も涙を流しうずくまる。その姿を見ていた自分も涙を流していた。









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