†導かれる聖女†


「あ…あぁっ…嫌ぁぁっ!!!」


どうして……
どうして私はルークを…


傷つけてしまった!!!
また私は汚れて…


「…大丈夫だと言っただろう」


「っ…」


フワッとルークは私を抱きしめた。


「離して…離してっ…」


私はあなたを傷つけた!!
あなたを憎いと…


孤独になりたくなかった。
傍にいてほしくて…


私の…身勝手な理由で…



「…セシル。お前は惑わされただけだ。人間は惑い、揺らぎ前に進むモノだろう?」

「でもっ…」

「お前は人間だ。弱くすぐに死ぬ弱者。だから揺らいだ」


私も…人間……?


「お前は神じゃない。ヴァンパイアでも、ウィザードでもない。だから強くなくていい」

「私は…弱くてもいいの…?」


私は聖女なのに……?
私は導かなければならないのに?


「ここはあの教会ではない。お前はもうあの檻を出たんだろう?俺と共に」


…あ……


そうだ……
私はあの檻を出たんだ。


だから……
私はもう…



「お前は自由だ。なのに今度は自分の檻に閉じこもっている」


私が…自分の檻に……


「もうお前は出れるはずだ。踏み出さなければずっと孤独だぞ」



私が…自分の足で……









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