†導かれる聖女†


「セシルと…ルーク…か…?」


地上へと上がると、傷だらけのティアネイがいた。


「ティアネイ!!」


私はティアネイに駆け寄りその体に手を翳した。


―パァァッ


私の手から放たれた光がすぐに傷を癒す。


「…ありがと…な…」


ティアネイは笑みを浮かべ私の頭を撫でる。


「何があった?」

「あのじいさんだよ。あいつ、土産残してどっかに消えやがったんだ」

「土産…?」


私が首を傾げると、ティアネイは疲れた顔で頷く。


「アンデットだよ」


じゃあずっと戦って…


「近くにウィザードの気配はしない。今は休息が必要だろう」


私とティアネイを交互に見たルークは私だけを抱えて歩き出した。











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