†導かれる聖女†


「約束は…絶対…だな…」


―シュッ
ルークがそう呟いた瞬間に短剣が迷う事なく放たれる。



周りの町人も私も息を飲んでそれを見つめた。


林檎は見事ナイフに突き刺さり奥の板へと刺さったのだ。


―パチパチパチパチッ
―ピューイ!!


「すげぇぞ青年!!!」

「ありゃ天才だ!!」


口笛や拍手、歓声が私達を包み込む。


「すごい…」


私も知らず知らずにそう呟いていた。


「約束だな」


ルークがそう言えば、男は泣く泣くお金を渡し帰っていった。


何故か周りの町人からもお金を頂いた。


「…お嬢ちゃんは何か出来ないのかい!?」


それから何故か私に期待の目を向けられる。







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