†導かれる聖女†


―カツカツカツ…


廊下を一人歩く足音だけが鳴り響く。


そう…私は一人…
この牢獄のような場所で
たった一人…


「♪〜♪〜♪〜」


歌を奏でて…
闇夜に訴えかける。


此処から出して…と…


―ギイィィィィ…


目の前の大きな扉を
両手で開く。
あつまる視線…


祈りの時間だ…


「聖女マリアの名において…
神に使えその罪を購うのなら…
全ての罪を許そう…」


此処にいる者達は
悪魔に魂を売った人間達。
私の力で魔を払い、神官として此処で働かせる。


そういうシステムなのだ。








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