†導かれる聖女†


『ウルサイ…オ前モ消エテシマエバイイ…
ソウスレバ………』


「心が傷まなくて済む?」


アデルの言葉の続きを、私は発する。そうすると、アデルは驚き、戸惑うような顔をした。


『…………………ナゼ…』


何故分かるのか?とアデルは私に問い掛ける。


「あなたと私は
似ているからだから分かる…」


『オ前ニモアルトイウノカ?
孤独ヲ…存在の意義を失ッタ事ガアルノカ?』

「私は生まれた時からずっと一人だった。
でもあなたは?
本当にあなたは一人だった?」


私はずっと一人だった…
一人だと思ってた。









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