†導かれる聖女†


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『お母さんっ!!見て見て!
綺麗なお船だよ!!』


まだ幼い金髪と金の瞳を持つ少年は隣の母に笑顔を向けた。



『ぼうや、下がっていなさい。あのお船はね、選ばれた人にしか乗れない船なんだからね』


二人の親子は貴族船を手を繋ぎながら見上げる。


『じゃあレイナは選ばれた人?なの?』


貴族船の最高部から手を振る紫髪の少女を少年は見上げた。


幼なじみのレイナ…
自分とは違う身分の彼女を純粋に好いていた。


その身分を知ったのはもっと大きくなった頃。







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