†導かれる聖女†
『レイナ……』
18に成長した青年は、遥か遠くの水平線を眺める。
身分の違い、このルベール地方からルシアール地方までの距離…
全てのモノが敵で邪魔でしかない。同じ地位と力が欲しかった。
『ティアネイ!!会いたかった…最後に会ったのはいつぶりかしら!!』
笑顔のレイナが船から降りてくる。
『レイナ、元気だったかい?
また綺麗になったね…』
そう言えばレイナは恥ずかしそうに瞼を伏せた。
それさえも愛らしく愛おしい…
『ティアネイ、今日はお願いがあって来たの!』
僕の腕に捕まりながら、レイナは真剣な顔になる。
『私と一緒にルシアールに来ない!?』
『…………えっ!?』
レイナの言葉に目を見開く。一体何が起こったのか分からない状態だ。