BOND
「武藤くん…。」



落ち着きを取り戻したとき、私はゆっくり武藤くんから離れた。




「ん?」


「ごめんね‥。」


「座ろう。」




武藤くんは近くのベンチに腰かけた。




私は武藤くんの隣に座った。




「私‥振られちゃった。」


「…。」


「電話、繋がらないの。メールもエラーで返ってくる…。」


「…。」


「はぁ…前に学校の日に大阪に行ったことあったでしょ?あれ、彼が浮気して…気づいたら大阪行ってた。」



「…。」



「バカみたいだよね…明に言われたの‥浮気する人は繰り返すって。傷つくのは私だって。」



「…。」



「明の言う通り、あのときに別れておけばよかった。」




言ってて涙が出てくる。





自分がイヤになっちゃう。





あのときに戻れたらいいのに…。
< 100 / 432 >

この作品をシェア

pagetop