BOND
歩いて5分。



着いたのは海だった。




「夜の海って好き。」


「何で?」



武藤くんが不思議そうに私を見た。




「溶け込めるから。」



「溶け込める?」



「うん。昼間の海は賑やかでしょ?夜は静かで、落ち着く。」



「賑やかねぇ。」




フッと笑う武藤くん。




よく裕と来たなぁ…。





夜の海。





「越智、目瞑って。」



「え?どうして?」



「いいから。」



「うん。」




私は目を閉じた。





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